うなぎ(食にまつわる)の豆知識

養殖うなぎの旬はいつ?

私たちが日ごろ魚屋やデパート、スーパーなどで目にする国産うなぎは、そのほぼ全てが養殖のオスうなぎです。養殖うなぎの旬は、土用の丑の日に合わせて育てたりするため、一般的には夏ごろ(5月~8月)と言われることもあります。しかし、現在では一年中ビニールハウスや屋内で徹底した温度管理のもと育てられるので、季節による味の違いはありません。したがって、養殖うなぎの旬は特に決まっておらず、一年中美味しく食べられます。うなぎは消化吸収が良いため夏の暑さで弱っている胃腸にも優しく、夏バテに効果のあるビタミンAが多く含まれているので、夏にうなぎを食べることには栄養学的な理由もあります。なので、一般的に流通している(養殖)うなぎの旬の時期が夏というのも、完全に間違っているとは言い切れません。一般的に養殖されたうなぎは99%オスうなぎで最も美味しいのは他の動物にも言えますがメスで新子と言われる若いうなぎです。そんな、うなぎですがワシントン条約などの対象となると、漁獲が禁止されて将来的には、うなぎを食べることができなくなる可能性もあります。こうした動きを受けて完全養殖の研究が進められいることから、2020年頃には完全養殖うなぎを一般に流通できるだろうとの見通しも発表されていますが見通しは立っていません。

養殖の歴史

日本のウナギ養殖(養鰻)は、1879年(明治12年)に東京深川で、殖産家である服部倉治郎によって初めて試みられた。その後、1891年(明治24年)に現在の静岡県湖西市で、原田仙右衛門が7ヘクタールの池を造り、日本で初めて人工池での養鰻を試みたほか、服部倉治郎も1897年(明治30年)に現在の浜松市西区にて養鰻を始めている。これが後に日本の養鰻の中心地となる浜名湖の養殖ウナギのルーツとなる。温暖な気候や地下水などウナギの生育に適した環境に加え、浜名湖や天竜川河口でシラスウナギが多く獲れたことが、この地で養鰻業が盛んになった理由とされている。その後、浜名湖周辺を中心とした静岡県遠州地方のほか、愛知県三河地方、三重県中勢地方、鹿児島県、宮崎県などが主な生産地となり、太平洋戦争によって一時衰退するも、戦後は概ね復興する。2000年以降2013年までの間、都道府県別の養殖ウナギ収穫量は順位を替えながらも、鹿児島県、愛知県、宮崎県の3県が常にトップ3に位置しており、その下も、静岡県、高知県、徳島県などが比較的安定した収穫量を維持している。しかし日本全体で見れば、2011年まではほぼ毎年約2万トン前後養殖されていたものが、2012年以降減少に転じ、2013年では約1万4000トンにまで減少している。
輸入品は台湾が20年以上の歴史を持っており以前はヨーロッパウナギのシラスウナギを中国に輸入し養殖したウナギが主流であった。 日本では主にニホンウナギとビカーラで、台湾や中国ではニホンウナギ・ヨーロッパウナギ・ビカーラウナギが養殖されている。門司税関博多税関支署によると土用の丑の日がある7月が、年間を通して輸入量はピークになる。2005年は6月の輸入量に比べて、7月は2倍近くの139トンに増加していた。2006年は検査の強化や中国側が輸出を控えたため、台湾産が増えていた。
ウナギの養殖はまず、天然のシラスウナギを捕ることから始まり。黒潮に乗って日本沿岸にたどり着いたウナギの子供、シラスウナギを大量に漁獲してこれを育てる。養殖方法は、日本ではビニールハウスを利用した養殖が主流であり。 台湾と中国南部の広東省では池を掘っただけの露地養殖。ハウス養殖は、ボイラーを焚いて水温を約30℃に保っており、成長を早めることができる。
また、養殖ウナギと天然ウナギの見分け方として一般的に胴回りが太く腹の色が黄色がかっているのが天然ウナギだとされるが、実際の天然ウナギは生息環境や餌によって色、模様、体型が様々に変化するため、見た目で識別することは容易では有りません。

土用の丑の日

丑というのは、丑の日の「丑」は十二支の「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の丑です。

土用の丑の日といえば、うなぎを食べる日で、夏だけのことと思われていますが、実は年に4回あります。
中国の古い思想に陰陽行説というのがありますが、これは、宇宙は木火土金水の5元素(5行)から成るという考え方です。この5行を四季に当てはめる場合、春=木、夏=火、秋=金、冬=水を配すると、土が余ってしまいます。そこで、四季それぞれ90日あるうちの終わりの5分の1ずつを土に当てました。春は清明、夏は小暑、秋は寒露、冬は小寒のあと、いずれも13日目に土用に入り、18日で土用が開けて次の季節が始まり暦の上での季節の終わりの19日間の事を指しています。

この土用の期間の丑の日ということになります。年によっては2回の土用の丑の日が あるときもありこの夏の土用の丑の日にうなぎを食べたりすると身体が 丈夫になるという言い伝えがあります。
※ここで言う季節の変わり目というのは「立夏」「立秋」「立冬」「立春」のことで季節の最後に割り振られ「土用の明け」は次の季節の始まる日の前日になります。
この土用の期間中に土を犯すことは慎むべきこととされ、葬式などはこの期間中は延期されました。
夏の土用の丑の日には、うなぎを食べたり、灸をすえたりすると丈夫になるという言い伝えがありますが、寒中の土用の丑の日には、口の中の虫を殺すという俗信から、特に口紅をつけたりする習慣がありました。 異なる季節の間に「土用」を置くことで、消滅する古い季節とまだ、充分に成長していない新しい季節の性質を静かに交代させる働きをするそうです。

       西 暦   土用入り  土用明け  丑の日   二の丑
       2016年  7月19日  8月6日  7月30日
       2017年  7月19日  8月6日  7月25日  8月6日  
       2018年  7月20日  8月6日  7月20日  8月1日
       2019年  7月20日  8月7日  7月27日
       2020年  7月19日  8月6日  7月21日  8月2日

土用の丑の日とウナギ

 
 
夏の土用の時期は暑さが厳しく夏ばてをしやすい時期ですから、昔から「精の付くもの」を食べる習慣があり、土用蜆(しじみ)、土用餅、土用卵などの言葉が今も残っています。精の付くものとして「ウナギ」も奈良時代頃から有名だったようで、土用の丑の日は「う」にあわせて「う」のつくものを食べることで夏バテを解消する語呂合わせが習慣になりウナギという風に結びついた。また奈良時代には悪霊が忍び込んでしまう良くない日とされ魔よけの神様の玄武をあらわす、黒い色に守ってもらうおまじいとしてウナギや茄子、ナマズや鯉といった黒い食べ物を食べていたといわれています。※玄武の玄は黒色を現します。

今のように土用にウナギを食べる習慣が一般化したきっかけは江戸時代の蘭学者・発明家の平賀源内が土用の丑をうなぎの日にした元祖として知られています。
夏場客足の少ないうなぎ屋から繁盛の妙案はないかと相談を持ち掛けられた平賀源内が「本日、土用丑の日」と店頭に掲げたところ、これが大当たりしてうなぎ屋は、大繁盛したそうです。この時、平賀源内がうどん屋さんに相談を受けていたとしたら今頃はどうなっていたかわかりません・・・。
またほかにも色々な説もあります。

※ 文政5年(1882年)「明和誌」青山白峰著による。春木屋善兵衛 説文政年間(18818~29)に出版された「江戸買い物独り案内」という本に春木屋が「丑の日元祖」として紹介されています。 ある時、春木屋に神田和泉橋の藤堂(大名)のお屋敷から、旅に出るのに持っていきたいと大量の蒲焼の注文がありました。 春木屋の主人、春木屋善兵衛は、子の日、丑の日、寅の日の三日に分けてうなぎを焼き、土蔵に貯蔵して三日間置いたところ、丑の日に焼いたうなぎだけが、色合い、風味とも変わりませんでした。そこで丑の日に焼いたうなぎを藤堂様にお納めし、お褒めをいただいたそうです。それ以来、春木屋は「土用丑の元祖」の看板を上げたそうです。

※藤堂のお殿様ではなく、佐竹のお殿様との説や、春木屋善兵衛ではなく青木一馬と言う武士が武士を辞めうなぎ屋になりうなぎを献上したと言う説。また春木屋善兵衛と青木一馬は同一人物説(うなぎ屋になる際に春木屋善兵衛を名乗った)もあります。大田蜀山人 説江戸時代の狂歌師の蜀山人(大田南畝)が、神田川という鰻屋に頼まれ、「丑の日に、うなぎを食べたら病気にならない」という内容の狂歌を作って宣伝したことが始まりといわれています。

※ 天保10年(1839年) 「天保佳話 天保十年」劉会山大辺甫編による。虚空蔵菩薩 説うなぎと天然記念物の欄にもございますが、うなぎは虚空蔵菩薩の使途、召使い、化身と言われています。そんな虚空蔵菩薩は丑年と寅年生まれの人の守り本尊でもある事から、丑年生まれの人が虚空蔵菩薩に結び付けてうなぎ蒲焼きを宣伝したという説もあります。丑の日の「う」からこの日に「うのつくもの」を食べると病気にならないと言う迷信もあり、「ウナギ」もこれに合致した事だと思います

「鰻(うなぎ)」という名前の由来 

 日本では奈良時代の『万葉集』に「武奈伎(むなぎ)」として見えるのが初出で、これがウナギの古称である。院政期頃になって「ウナギ」という語形が登場し、その後定着した。そもそものムナギの語源には 家屋の「棟木(むなぎ)」のように丸くて細長いから胸の部分は黄色っぽくなっているから「胸黄(むなぎ)」がうなぎへと 変化した 料理の際に胸を開く「むなびらき」から など、いくつかの説があるが、いずれも民間語源の域を出ない。「武奈伎」の「伎」が上代特殊仮名遣ではキ甲類の仮名であるのに対して、「木」「黄」はキ乙類なので一致しないという問題があるし、「ムナビラキ」説については「大半の魚は胸側を開くのになぜ?」という特筆性の問題がある上、ムナビラキ→ムナギのような転訛(または省略)は通常では起こり難い変化だからであり。この他に、「ナギ」の部分に着目して 「ナギ」は「ナガ(長)」に通じ「ム(身)ナギ(長)」の意である 「ナギ」は蛇類の総称であり、蛇・虹の意の沖縄方言ナギ・ノーガと同源の語である → 参考: 天叢雲剣「蛇の剣」 「nag-」は「水中の細長い生き物(長魚<ながうお)」を意味する。この語根はアナゴやイカナゴ(水中で巨大な(往々にして細長い)魚群を作る)にも含まれているなどとする説もある。いずれにしても、定説と呼べるものは存在しない。
関西の方言では「まむし」と呼び 「薬缶」と題する江戸小咄では、「鵜が飲み込むのに難儀したから鵜難儀、うなんぎ、うなぎ」といった地口が語られている。また落語のマクラには、ウナギを食べる習慣がなかった頃、小料理屋のおかみがウナギ料理を出したところ案外美味だったので「お内儀もうひとつくれ、おないぎ、おなぎ、うなぎ」というものもあります。

※漢字の由来は、曼という文字の意味の中には 「つや・長い」という意味が含まれつやのある長い魚という事で この漢字が出来たと思われます。
 

関東と関西のさばき方の違い 

うなぎは地域によって特に関東と関西では焼き方や捌き方、味付け等の調理方法が異なります。

関東風(江戸前風)
一般的な関東風は鰻を背開きにし背骨と内蔵(肝)をとり頭を落としその後、白焼きにしてから鰻を蒸し、タレを付けて焼き上げあるのが特徴です。タレはさらっとあっさりした比較的甘くないタレを使用します。うなぎを背開きにして調理するのは武士が多い江戸の町では腹開き=切腹を連想させる為、敬遠されたと言われています。またタレを付けて焼く前に蒸し関東のうなぎは関西のうなぎに比べて脂が多かった為、蒸すことにより余分な脂を落としていたと言われています。

関西風
一般的な関西風ではうなぎを腹開きにし背骨と内蔵(肝)をとります。この時、関東風と違い鰻の頭は落としません。うなぎは蒸さずに直接焼き始めます。タレは甘めのトロりとした物を使用します。関東風と違い腹開きにして調理するのは大阪は商業や商人の文化が強く、お互い腹を割って話をするという事から腹開きがされたと言われています。関西風うなぎは蒸さない事で脂が多いので、その脂に負けない味の強く垂れ落ちにくいトロっとしたタレを使用していると言われています。

おおまかには上記の2種類に分かれますが、地方によっては違う調理方法をしています。九州では鰻を背開きにし頭を残して焼きます。また中部地方の一部地域では背開きにし頭を落とした物を蒸さずに焼き上げ、甘ダレで味付けをしたり京都では蒸しが入り関西でも腹開きではなく、背開きする場合もあります。
うなぎは上記の通り、地域によっていろいろな調理方法がありますが、その調理に使用する包丁も地域によって異なり大阪型 京都型 名古屋型 関東型など鰻裂き包丁の種類も様々です。

~串打ち三年 裂き八年 焼き一生~
 

天然うなぎの旬はいつ? 

天然うなぎは例年5月頃から獲れ始めて12月には漁が終了し、美味しい時期というのは初冬になります。特に水温が下がりはじめる10月頃の冬眠に備えてたくさん栄養を蓄えたうなぎや、川や湖で5年から12年成長して産卵のため川を下り出す「下りうなぎ」が美味とされています。そして、味の特徴も養殖うなぎとは全く異なります。
但し綺麗な水で良い環境で育った天然ウナギの事です。汚染された水 環境の悪い地域で育ったウナギは論外です。そういった地域で育ったウナギの肝は臭く汚染物質を含んでいる場合がありますので注意が必要です。

淡白であっさりしていて脂くどさを感じない・味に力強さがある・川魚特有の爽やかな香りがする・一匹ごとに味わいが異なる しかし、残念ながら天然うなぎの漁獲量は年々減少の一途をたどっています。天然うなぎの漁獲量は国内の養殖うなぎの生産量と比較すると僅か約1.5%で、加工品も含めた輸入うなぎまで合わせると0.3%にも満たない量です。天然うなぎの代表でもあるニホンウナギの個体数減少を受けて、2013年2月には環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定され、さらに世界の科学者らで組織する国際自然保護連合は2014年6月12日に、絶滅の恐れがある野生生物を指定する最新版のレッドリストに、ニホンウナギを加えたと発表しました。

 

なぜうなぎに山椒? 

今、ハーブが人気を集めていますが、薬味の山椒<さんしょう>は日本のハーブとも言えます。その独特の香りがうなぎの味を引き立たせてくれています。
江戸時代、醤油や味醂のタレをつけて焼く蒲焼が流行する以前は、山椒しょうゆや山椒みそによるつけ焼きでした。これは、風味より毒消しの為だったようですが、山椒の香りがとてもうなぎにあうので、 タレの付け焼きへと変化した今でも山椒が定番になっています。
山椒はわさびなどと並ぶ代表的な和風スパイスで、若葉は木の芽と呼ばれ、すまし汁の吸い口にしたり、木の芽でんがくなどに用いて香りを楽しみます。また、熟した実を干してすった粉山椒は、七味唐辛子の一味となり、その独特の香りによってうなぎの蒲焼の味を引き立たせる役目をしています。
また、山椒には胃酸のPH値を下げる働きがありうなぎの消化を助ける働きがありますが最高級のウナギ本来の味を楽しむ為には山椒はNGです。何故かと言うと川魚の匂いを一発で消してしまいます
。山椒の香り楽しみたい時はウナギの皮側にかけご飯に戻すのがおススメです。そうすることにより口に入れた瞬間はウナギの香ばしさとタレの甘味が広がりその後山椒の香りが広がるのでいきなり山椒の香りが広がる事を避けられます。

※山椒:ミカン科の落葉低木。幹・枝にとげがあり、春。黄緑色の花が咲く。葉・花・実に強い香気と辛みがある。食用・香味料。

 

うなぎの血は毒 

うなぎの血には「イクチオヘモトキシン」という毒が含まれています。 命をおとすような強い毒ではありませんが、傷口に入ると炎症や化膿、目に入ると最高に痛く2.3日はひきずります。口に入ると吐き気や呼吸困難などを引き起こします。 しかしこの毒は60度以上で加熱調理をする又はよく火を通して毒の成分を変性させると毒素がなくなります。「よく血抜きすれば生でも食べられる」などといわれていますが、高度な技術が必要かと思います。体表粘液の毒性も強いと言われますが私は免疫が有るのか変化は有りませんでした。また同じうなぎ目に属するアナゴやウツボ、ハモの血にも毒が含まれています。

 

生のうなぎは硬い? 

食べるととても柔らかいうなぎですが、加工する生の状態ではゴムのように硬いです。私は養殖ウナギの体調を診るのに常に触っています。体調の良いウナギは水中で触ってもヌルヌルは付きません 、ウナギを裂き加熱をして調理することによって柔らかくなり、旨みや香ばしさもましてきます。 なぜ火を通すとやわらかくなるかというと、コラーゲンが多く含まれているからで これは加熱をすると水溶性ゼラチンへと変化するので柔らかくなります。

 

食い合わせの悪い食べ物 

昔からの迷信に、これとこれを一緒に食べてしまうとおなかが痛くなる・・・と言われている “食い合わせ”この組み合わせの中に「うなぎと梅干」があります。


【ぜいたくの戒め説】
梅干は胃酸を分泌させ、食欲を増進させる。そのため、高価なうなぎをたくさん食べることになる。贅沢(ぜいたく)を戒めるために、生まれた言い伝えではないか。

【過食の戒め説】
うなぎも梅干も食がすすむ食材。 脂っこいうなぎも、梅干を食べながらだと 口の中がスッキリしてつい食べ過ぎてしまう 食べ過ぎを防ぐ意味で言われたのではないか。

【栄養の消失説】
梅干には、脂っこい食物をサッパリさせる性質があるので、 体内でうなぎの栄養分が消されてしまうのでは…と心配したため。

【食中毒の予防説】
うなぎが腐っていたら、酸味がある。もし梅干しを一緒に食べると、梅の酸味のせいで、うなぎが腐っていることが判らないため。


色々な解釈があるようですが迷信なので必ずおなかをこわすということは有りません実際には鰻と梅干の食い合わせは相性が良く、鰻を食べた後に梅干を食べる事により、梅干の酸味が鰻の脂を緩和する効果があるため、食い合わせは良く逆に食べ過ぎには注意です。

 

うな丼とうな重の違い 

うなぎが食べられ出した頃(江戸中期)には、うな丼・うな重というものはなかったそうです。 江戸時代末期になると芝居小屋でも食べられるようになり、冷めないようにとどんぶりが 使われるようになったそうです。でも、その頃には今のように蓋はなく蓋がある丼が 登場するのは明治時代に入ってからで、大正時代に入ると、陶器の器ではなくもっと 高価な器(漆塗り)が登場してきました。 重箱を使うことにより見た目もよくなり、器を上絵などを書き加えた漆器を使用することにより 高級さをアピールしていったようです。

 

タレと肝吸い 

ウナギの味を左右するのが焼きの次にタレですが加工屋さんやお店によって特色の味を持っています。タレを漬けながら100尾ぐらい焼く事によりウナギの旨みがタレの中に溶けだしコクや旨みそして風味が蓄えられていきます。主に醤油・みりん・酒・砂糖などにさばいて焼いた頭や骨を入れる事をお勧めします。

次に肝吸いですがウナギ1尾に1つしかない肝。ウナギの肝は身に比べて脂肪分が少なく吸い物に適しています。また肝は目に良いのは間違いはありませんが本当に目に良い部位は心臓で心臓はエラより前に有る為残念ながら中々口にすることは出来ません。ウナギの味は肝で決まると言っても過言ではありません最高級のウナギの肝は臭みなど一切なく絶品です。また抵抗力を高める働きをもっているビタミンAがとても豊富です。