うなぎの豆知識

うなぎの種類と特徴

よく見られているのはニホンウナギです。

【分類】脊椎動物門-魚類綱-ウナギ目-ウナギ科-アンギラ属(Anguilla属)

【特徴】身体は細長い円筒形で、成魚のときは川や湖などの淡水に生息するが、産卵や孵化の時期は海に生息する。

【体長】約60㎝ですが、中には1m以上という大きさのうなぎもいます

【オス・メスの見分け方】これはとても見分けるのが難しい魚です。環境により性転換が行われたりもしますが大和淡水研究所ではビカーラ種は約10㌘位でオスメスに分かれる事が判明しています。

【ウナギの成長】殆どのうなぎは成魚のときは川や湖の淡水で生息しますが、産卵時期になると海へと帰っていきます。 産卵・孵化の時期は海の海水の中で生息します。孵化をすると「プレレプトケファルス」「レプトケファルス」と呼ばれ、(二ホンウナギ・約300日)(バイカラーウナギ・約200日)「シラスウナギ」へと変化します。このシラスウナギへと成長をすると川や 湖へと戻ってきます。海で一生過ごす海ウナギ 海と汽水域で一生を過ごす河口ウナギも存在しています。川に戻って来る稚魚を捕獲し養殖場に運ばれることとなります。

【ウナギの種類】世界には19種類(亜種3種)生息するうなぎですが、魚類のなかのウナギ目(Anguilliformes)ウナギ科(Anguillidae)に属し、日本には主に2種類生息しており、ニホンウナギ、オオウナギがいます。一般的に食べているのはニホンウナギですが、戦後、日本に養鰻種苗としてヨーロッパウナギを大量輸入し養殖されました。ウナギの数が減って問題になると、地域の漁協による義務放流が始まり、養殖されていたヨーロッパウナギが放流されこの結果、日本各地の水系において、ヨーロッパウナギを含む外国産ウナギが移入分布していることが確認されています。
「ヨーロッパウナギ」は2008年に、国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定され、2009年から「ワシントン条約」による国際取引の規制の対象となっています。

お店によっては、一部ヨーロッパウナギも売られています。一般的にヨーロッパウナギはニホンウナギに比べて太くて短く。また脂がのっているのが特徴です。

主なうなぎの種類

ニホンウナギ・・・学名Anguilla japonica(アンギラ ジャポニカ種)
ヨーロッパウナギ・・・学名Anguilla anguilla(アンギラ アンギラ種)
アメリカウナギ・・・学名Anguilla rostrata(アンギラ ロストラータ種)
オオウナギ・・・学名Anguilla marmorata(アンギラ マルモラータ種)
ニューギニアウナギ・・・学名Anguilla bicolor pacifica(アンギラ ビカーラパシフィカ種)

うなぎは目は小さく、体は細長い円筒形。腹ビレはなく、背ビレは尾までつながっています。体色は暗褐色で腹の方が白色か淡黄色をしていますが、生息地や餌によって、青みががったり、黒い斑点があったりします。

【ウナギの産卵場所】
19種・亜種のウナギが生息しその約半数のものについて計6カ所の産卵場が推定されています。まず北大西洋のサルガッソ海、ヨーロッパウナギとアメリカウナギの産卵場、太平洋のマリアナ諸島西方海域は、ニホンウナギとオオウナギの産卵場、セレベス海はセレベスウナギとボルネオウナギが産卵するとみられ、フィジー西方海域はオーストラリアウナギ、ニュージーランドウナギ、ニュージーランドオオウナギ、ラインハルディウナギの産卵場と考えられており、インド洋には2カ所、マダガスカル島東方海域ではモザンビークウナギ、ベンガルウナギ、スマトラ島西方のメンタワイ海溝はベンガルウナギが産卵するとされますがこれらの多くはおおよその推定海域であって現在判明しているのは大西洋2種のヨーロッパウナギとアメリカウナギのサルガッソ海と、ニホンウナギとオオウナギのマリアナ沖の産卵場の4種しか解っていません。多くのウナギの産卵場はいまだ謎に包まれています。

【ウナギによく似た種類】
ウナギ目の中にはウナギ以外にもアナゴハモの他、ウツボやウミヘビも含まれています。
ウナギと名が付くものにヤツメウナギやデンキウナギ、ヌタウナギフウセンウナギフクロウナギがありますが、これらはウナギ目ではありません。
ヤツメウナギは円口類(無顎類)頭甲綱(ヤツメウナギ類)ヤツメウナギ科に属します。ヤツメウナギは主に日本の東北部にも生息しています。目の横に7対のエラ穴が並んでいるため、目が8つに見えることから八つ目うなぎと呼ばれています。またヤツメうなぎはビタミンAを多量に含んでいるため、昔から夜盲症の特効薬として珍重されてきました。
デンキウナギはデンキウナギ目デンキウナギ科に属します。主に南米大陸に生息しており、その名の通り、電気を発生させることができます。デンキウナギはその電気で周囲の様子を検知しエサを獲ったり、身の危険を感じた時に相手を感電させます。ヌタウナギはヤツメウナギと同じ円口類(無顎類)で、ヌタウナギ目ヌタウナギ科に属します。日本近海(主に中部より南)にも生息しその名の通り、ヌメリが多く。ウナギやアナゴの比ではない事が有名です。「ヌタウナギ」という生物は、粘液を自らの身を守る手段や、獲物を捕らえる手段として用いる事で知られています。粘液腺からやはりムチンを含む粘液(ヌタ)を大量に分泌し、周囲の水を一気にネバネバのゼリー状にして、外敵の動きを封じたり、獲物となる魚のエラを詰まらせて窒息させたりします。ただし、この「ヌタウナギ」は、名前に「ウナギ」が入っているのですが、ウナギとは異なる種類の生物です。脊椎動物の最も原始的な一群である無顎類という顎を持たない生物で、便宜上は広義で魚類として扱われる事が多いのですが、厳密な意味では魚類ではありません。

タウナギ(田鰻、Monopterus albus)は、タウナギ目タウナギ科に属する淡水魚の一種であり。鰓弓内の粘膜を通じて空気呼吸を行うことで知られています。ミトコンドリアDNAの塩基配列に基づく研究によれば、タウナギは少なくとも中国および(沖縄を除く)日本に分布するもの、南西諸島に分布するもの、そして東南アジアに分布するもの、という3つの集団に分けられ、それぞれは互いに遺伝的に異なっているため独立した 「種」であると考えられるこれらの内訳をみると、日本に分布するものは中国に分布するものと同じ系統に含まれ、そのため中国大陸から人為的に移入されたものである可能性が高いとされる実際、1900年前後に朝鮮半島から奈良県に持ち込まれたと言う記録もあります。

 

うなぎと天然記念物

昔から人々の生活とかかわってきたうなぎですが、日本ではこのうなぎを保護している地域や習慣があります。
樺島の大うなぎ(長崎県)長崎県西彼杵郡野母崎町の脇岬より渡し船で15分位のところに樺島があります。島の中に流れる小川の脇に飲料水の井戸があり、この井戸の中に昔から大鰻が生息していました。この井戸は、大正12年に国の天然記念物に指定されています。ここに生息している大鰻は、太く、短く、黒褐色の斑点があり、産地は世界の北限といわれ、学術上極めて貴重なものです。
昭和42年頃、小川を歩道に建設したとき、井戸を直しましたが、大鰻は老衰死してしまいました。(この大鰻は6代目で、体長106センチ、胴廻り26センチ、体重35キログラム)
その後、鹿児島県池田湖より大鰻を1尾移させて今日に至っています。富田川流域の大うなぎ(和歌山県)富田川は和歌山県田辺市より東南27キロほどのところにあります。河口より4~5キロあまりの上流、富田町平という地域の近くに大鰻が生息しています。ここは大正12年3月に国の天然記念物に指定されました。
奥地の森林伐採により土砂が流れ出て川底が浅くなってきていますが、国の天然記念物指定とともに町を上げて大鰻の保護にあたっています。 粥川流域のうなぎ(岐阜県)岐阜県郡上郡美並村にある粥川(かゆかわ)は鰻の生息地として知られています。粥川の源は村の西方にそびえる標高1,162メートルの瓢が岳(ふくべがたけ)で長良川の支流です。鰻の生息地は“粥川の中三枚滝より下流、長良川との合流点まで”とされています。この地は大正13年12月9日に国の天然記念物に指定されており、禁漁区となっています。
ここの鰻の由来は、「今から1,000年あまりの昔、瓢が岳に悪い鬼が住みついて村人を苦しめていたが、第26代村上天皇の勅名で藤原の少将、高光公が虚空蔵大菩薩のご加護によって鬼を退治した。藤原高光公はお礼として星宮大権現堂(現在の星の宮神社)を建立、また虚空蔵大菩薩のお告げによるものとして、粥川に鰻を放流したのが生息の始まり」といわれています。
村人たちは、この伝説を固く信じているかのように、今だに誰一人として、粥川の鰻を捕えたり、食べたりしません。鰻にとってはまさに天国です。 佐野川流域の大うなぎ(千葉県)千葉県のほぼ最南端に位置する館山市の佐野川流域は昭和33年に大うなぎの生息地として市の天然記念物に指定されました。昭和33年6月に体長118cm、胴囲26.7cm、体重は4.3kgの物が捕獲されましたが、近年は生息が確認されていないようです。池田湖の大うなぎ(鹿児島県)鹿児島県指宿市池田湖は周囲約15km深さ最大233mの九州最大のカルデラ湖で大うなぎの生息地として昭和44年に市の天然記念物に指定されました。体長2m級の大ウナギの生息が確認されており、また池田湖のイッシーも大鰻との説があります。
上記以外でも昔からの習慣としてうなぎを食べない地域、うなぎを祀る地域が日本には数多く存在します。またそれらの多くに共通することは虚空蔵菩薩の使途として化身としてうなぎが登場いたします。

 

うなぎのヌメリ

ぬるぬるの正体はたんぱく質の一種の「ムチン」や「ムコプロテイン」がうなぎの体表から 分泌されているためです。このぬめりが体の水分を保つ働きもあり、うなぎの皮膚呼吸を助けています。
更に、この分泌物が体の内外の浸透圧を調節する働きもあるようです。 このおかげで淡水や海水というように環境が全然違う場所でも生息できるようでウナギは、エラ呼吸の他に「皮膚呼吸」を行う事ができる魚です。全呼吸の60%ほどを皮膚呼吸でまかない皮膚から酸素を取り入れるためには、皮膚の表面に水分が必要となります。そこで、皮膚表面にある粘液細胞からあのぬるぬるした粘液を分泌します。粘液の主な成分は、「ムチン」と総称される糖を多量に含む糖タンパク質で、非常に保水力が高いのが特徴です。さらに、この皮膚呼吸と、陸地でも這って移動できる能力によって、ウナギは、他の魚が越えられない滝が流れ落ちる切り立った岩場でも、水の無い岩を這い登る事で上流に上る事ができます。また稚魚に至っては水面張力で天井もはいます。体調の良いウナギは水中で触っても手にヌルヌルは付きません 逆に体調の悪いウナギは水中で触るとヌルヌルが手に付く為 ウナギの体調管理としても私達は活用しています。
栃木県日光市の中禅寺湖に住むウナギは、あの落差97mを誇る華厳の滝を上ってきたものと推測されていて この行動は「うなぎのぼり」という比喩表現の語源にもなっています。
そして、このウナギの粘液は、皮膚表面の浸透圧調整にも役立っています。ウナギは、海で産卵・孵化し、湖や池、川に遡上してくる「降河回遊(こうかかいゆう)」という生活形態を取る魚です。
塩分を含んだ海水と淡水の川では浸透圧が異なるため、通常の淡水魚は海では生活できませんし、海水魚は川では生活できません。しかし、ウナギはそれを可能にする特殊な体質を持っており、この皮膚表面の粘液も、水質の変化に耐えられる仕組みのひとつです。なお、ウナギのこの粘液や血液は有毒なので、調理の際には気をつけなくてはなりません。
ウナギの粘液の毒は、1gで体重20gのマウスを2000~8000匹殺せるほどの毒性を持っているといわれていますが 私達は免疫が有るのか口に入っても体調の変化は有りませんでした。血液に付いては目に入ると2.3日は痛いので要注意です。

 

ウナギにウロコ?

ウナギが空中でも長時間生きていられるのは、皮膚呼吸が発達しているためで他の魚は鰓でガス交換して酸素をとりこみます。ウナギの場合は鰓だけでなく体表からも酸素をとって利用し皮膚呼吸による酸素摂取量が全呼吸の6割以上にもなることがあるといわれています。それを可能にしているのは、体表に分泌される多量の粘液であり他の魚の鱗 〈うろこ〉 は、外部からの物理・化学・生物的刺激に対して体表を防護する役目をもちますが、ウナギの場合、鱗は退化して小さな小判型の鱗が皮下に埋没しています。その代わりに、表皮に粘液細胞が発達して、多量の粘液を分泌して体を保護しこの粘液を通じて空中の酸素が体内に取り込まれます。さらにウナギは他の魚に比べて、低酸素環境に強いというメリットも持っていてウナギの特徴ともなっているヌルヌルが、陸上における皮膚呼吸と体の保護の役目を果たし、陸上長距離移動を可能になっている様です。

 

「下り・上りウナギ・銀ウナギ」って何?

上りウナギとは冬から春にかけてウナギの稚魚「しらすうなぎ」が海から川を上がってきます。これらのウナギが上りウナギと言われますが稚魚だけでは有りません 数年汽水域で過ごしてから川を上るウナギも存在します。また下りうなぎとは銀うなぎ「銀化したウナギ」 一般的にウナギは生殖の目的で川を下り海へと帰っていきます。 このころは食べ物を殆ど取らないため胃も退化し消化器官も衰えてきます。 泳ぐ距離はとても長く、マリアナ海溝やフィリピン海溝に向かうといわれています。 2000㎞以上の距離を泳ぎ産卵すると言われています。

 

うなぎ・どじょう・あなごの違い

こちらの3種は、外見等にている部分があります。他の2種の違いをこちらで紹介します。

どじょう
外見の違いは、ドジョウには口ひげは上顎に3対下顎2対で合計10本ありまだら模様がついています。体調の長さもうなぎは約1m、 どじょうは約10–15 cmと大きな違いがあります。水中の酸素が不足すると、水面まで上がってきて空気を吸い、腸で空気呼吸も行うえウナギにはこのような呼吸法はありません。

あなご
こちらは、外見はとてもにています。30以上の属と150以上の種類が知られます。アナゴにはマアナゴ、ゴテンアナゴ、ギンアナゴ、クロアナゴ、キリアナゴ、チンアナゴなど多くの種類がありますが、日本で「アナゴ」といえば浅い海の砂泥底に生息し、食用に多く漁獲されるマアナゴ を指し胴の側面に白い点々が並んでいます。 あなごは穴を掘ってもぐり夜になると餌を食べに出てきます。ウナギと同じような栄養価の高い魚です。 味はうなぎよりもさっぱりしています。