うなぎ完全養殖の研究

国内での研究

ウナギは淡水魚として知られていますが海で産卵します。海で生まれた卵はやがて仔魚となりウナギとは似つかない形をしています。仔魚はレプトケファルスと呼ばれ海流にのって約1年かけて日本や台湾までやって来ます。日本近海に着く頃にレプトケファルスからシラスウナギに変態します。そして、海、汽水域あるいは淡水域で5~10年以上かけて成長しウナギは黄ウナギと呼ばれます。養殖されているウナギは海から川を上る時に捕獲されたシラスウナギが池入れされ養殖されています。

天然ウナギはそれぞれの場所で成長し川を下り海の産卵場に向かいます。この川を下るウナギを下りウナギや銀ウナギと呼ばれています。また成熟した親ウナギが海で捕獲された例はなく産卵時期も解っていません。現在シラスウナギの数は減少しており完全養殖が研究されています。この研究は40年以上前からされており天然で成熟したウナギは飼育をしても成熟はされず研究者の間で、ホルモン投与によりウナギを成熟させ、シラスウナギを得る試みが1960年頃に開始されました。 その結果、1960年代中にオスでは静岡県水産試験場でメスでは東京大学で人為的に成熟させた個体を得る事が出来ました。1974年には北海道大学が世界で初めてふ化仔魚を得れホルモンを投与する試みが行われ30年近く経った2003年、水産総合研究センターで世界で初めて卵からシラスウナギ、さらに成鰻までに育てることが成功されました。 人工ウナギの生産数は年間数匹レベルで1匹数百万円ものコストが必要とされていました。人工のシラスウナギは特殊な餌や飼育水槽、2時間おきの水槽掃除など飼育管理が必要で安定的に安価なシラスウナギを大量に供給できずホルモン投与の手法はコストや手間がかかり受精卵の質が不安定で健全な卵を大量に得られないなどの問題があります。現在1万円位までコストを抑える事ができ期待されていますが流通させるまではまだ時間が必要とされます。

『韓国での研究』韓国、日本に続き世界2番目ウナギ完全養殖に成功[中央日報引用]

「これでいい」。先月7日、釜山市機張郡(プサンシ・キジャングン)の国立水産科学院ウナギ養殖研究室。2008年からウナギの完全養殖の研究をしてきた研究陣10人余りは歓声を上げた。受精卵をふ化させてシラスウナギに育てた親魚から第2世代10万匹が生まれる瞬間だった。
これで韓国が日本に続き世界で2番目にウナギの完全養殖に成功した国になった。日本が人工ふ化から完全養殖まで36年かかった研究期間を韓国は5分の1の8年で実現した快挙でもあった。 完全養殖というのは受精卵からふ化させた仔魚を育てて再び受精卵を生産するようにする技術をいう。天然ウナギなしに人工ふ化したウナギだけでずっと養殖をつないでいける技術だ。 韓国の水産養殖専門家たちは1970年代に国内技術者が日本から苦労して半導体技術を学んできた過程を同じように体験しなければならなかった。4兆ウォンに達する世界のウナギ市場の中で70%を占める日本は、1800年代から養殖技術の開発を始めて2010年に完全養殖に成功した。苦労して成功しただけに日本のウナギ養殖技術のセキュリティーも徹底していた。 92~97年に東京大学で水産物繁殖技術を学んできたキム・デジュン国立水産科学院研究員(50)は「大学のウナギ研究チームに外国人は入れてくれなかった。ちょうどウナギをテーマに論文を書いていた日本人の同期を助けながら技術を習得できた」と話した。
キム・シングォン国立水産科学院研究員(45)はそれなりに運が良かった。済州(チェジュ)大学で養殖飼料を専攻したキム研究員は東京海洋大学で修士・博士過程を終えた後、ウナギの養殖研究を総括する日本水産総合研究センターに入ることができた。彼は「ちょうど飼料を集中的に研究する職員を選んでいた。技術を伝授してくれた教授も『韓国と台湾でも成果が出てくれば日本も善意の競争ができる』と好意的だった」と話した。しかしキム・シングォン研究員が韓国に戻って2012年に受精卵からふ化させたウナギの幼魚を変態直前まで育てたという成果が相次いで発表されると、日本政府は直ちに技術流出阻止に出た。彼が勤めていた水産総合研究センターの外国人共同研究を最初から禁止させた。このためウナギの仔魚を育てる飼料は独自開発するほかはなかった。

日本で40年という年月や莫大な研究費(予算・税金)日本人の血と汗と涙と努力、が必要とされた技術が海外に流出された悲しい案件でウナギの養殖のみならず近大マグロも同じ様な案件が発生しています。発見・開発された研究者の気持ちは痛い程伝わってきます。この様な悲しい出来事は異種ウナギについても国内でも発生しており驚くどころか笑ってしまいますねフッフッフ・・・